介護と異なる業界で働いてきた人が、介護職員を目指して転職活動をするケースも目立つようになっている。いざ採用されても、介護の仕事がイメージしていたものと違ったという印象を受ける人も少なくないようだ。仕事内容についてはイメージだけでなく、できるだけ具体的に把握しておく必要がある。仕事内容を検討するときには、好みと適性を両方とも考えることが大切だ。

食事や入浴などの身体介助や、高齢者とともにレクリエーションを行う仕事をしたいなら、介護付き有料老人ホームや特別養護老人ホームなどで介護職として働くことが向いている可能性がある。ただしそれだけではなく、介護度が高い高齢者の場合はコミュニケーションが取りづらい人もいることを忘れてはいけない。排泄のタイミングや、今の体勢がきつくないか、施設内の気温が最適かどうかなど、細かい部分まで配慮する必要がある。

例えば夏場だとエアコンが効いて部屋が涼しければいい、というわけではないのだ。高齢者は肌の感覚が敏感になり、冷感を強く感じやすい人もいる。だからといってエアコンの設定温度を高くしすぎると、すぐに熱がこもって熱中症になりかねない。このように、高齢者が過ごす部屋の温度管理はとてもデリケート場問題なのだ。

こうしたきめ細かい配慮も、介護職員になるには欠かせないといえる。このような部分も含め、イメージだけではなく具体的な仕事内容も把握しておくことが、意欲的に勤続するためのポイントである。選んだ仕事内容によっては資格が必要なこともあるので、転職活動を始める段階で調べておくことが大切だ。